雪が降る日に

朝から雪。
もう10センチくらい積もっているだろうか。
次男を保育園へ車で送ろうか、と思った瞬間
ふっと5年前のあるお母さんの話が頭に浮かんだ。
今日のような雪が降る日だった。
近所の人がみんな車で子供を学校に送る中、
そのお母さんは1年生の娘をあえて歩いて行かせた。
その日は塾の授業日で、その子は私に言った。
「今日ね、私学校へ行く途中泣いちゃった。歩いていったの。」
「えっ、すごい雪積もってたよな」
「途中で寒くて、歩けなくなって泣いちゃった」
「それで、どうしたの?」
「でも最後まで歩いていったよ」
「えらかったね!」
なんと40分もかけて学校まで一人で登校したのだ。
その後の保護者懇談会で、お母さんとその話になった。
お母さん曰く
「私は普通だったら間違いなくあの子より先に逝くんですよね。
 だからしっかりして欲しい。早く自立して欲しいんです。
 そう思って厳しくしてるんですが・・・でもどうだったんでしょう?」
私は今でも、お母さんが最初に言った
「私はあの子より先に逝くんですよね」
といったときの表情が忘れられない。
それまでの笑顔から一転して、私の顔から少し視線を落として、
噛み締めるようにつぶやくように言ったことを。
寒いから、転んで怪我をするといけないから
車で送っていくのも愛情であろう。
心配なのはもちろんである。
しかし、そこをあえて行かせた。
きっと悩んで決断したんだと思う。
私はお母さんに、強い愛情と信念を感じた。
私は言った。
「よ~く頑張りましたね。きっとHちゃんが大人になって
 お母さんの気持ちが分かるときが来るでしょうね。」
大人になっても一人で雪の中を
学校まで歩いていった記憶は鮮明に残るだろう。
母のその時の葛藤、気持ち、深い愛情を理解し、
きっといつかお母さんのような素敵な母になるんだろうな。
さてさて、そういうわけで私は次男を歩いて送っていくことにした。
私と次男と言えば、傘を差して、雪合戦をしながらのお気楽道中。
しかし、いつもは自転車、歩きの園児と父兄が多い中
今日はさすがにすれ違った傘を持った送りのお母さんは一人だけ。 
以前は私か事務長が車で送っていってた。
何時の頃からか、私が自転車で送るようになった。
そして今は歩き。
なぜか?
少しでも季節を感じて欲しいから。
雨が降ればズボンがぬれるのは当たり前。
暑い日は汗をかくのが当たり前。
風が強ければ、目を細めるのが当たり前。
秋になれば落ち葉が舞うのは当たり前。
冬の朝は寒いのが当たり前。
当たり前のことを当たり前に感じてほしい。
・・・もしかして、それって私が感じたいのかもしれないな(笑)
ほとんど人が歩いてない通園路を、
雪合戦をしながらいつもの倍の時間かけていったことを
次男は大人になっても記憶の中にとどめているだろうか?
近くの伊奈波神社の今朝の雪景色
伊奈波神社.JPG
 
    雪が降る日に かぐや姫  

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